3/24(金)に開催された「夢カナFES 2023」
夢カナ史上最大級で最高の盛り上がりをみせたサーキットイベントのライブレポートを順次公開中!
最終日の本日は、-duo MUSIC EXCHANGE- 会場の様子を。
(出演順)
「MIRAIJI」
東京発全員高校生バンド。音楽性が非常に高く、ミクスチャー、R&Bを軸に、ジャジーでフュージョン感あるロックを聴かせる。とにかく練習をかなりこなしているのが伺えるビートの揃い方、何より音の粒が綺麗に揃っている。若さをこれだけメロディアスに炸裂せているバンドも珍しく、音楽をきちんと聴かせるその姿勢、メンバー紹介でさえインストとして成立しているのが素晴らしい。この落ち着きはどこからくるのか?貫禄さえ垣間見える。Vo.Kaishが英語詩で歌う姿もしっかりとしていて無理を感じない。若いバンドがそのエネルギーを音量に変え爆進する姿はよく見かけるが、ここまで大人というか、きちんと琴線に触れるように丁寧に自分たちのメロディを届けようとする姿勢に感服する。バンドとしてはもちろん次世代を背負うであろうミュージシャンに出会えたという感覚の方が近く、彼らの今後にはかなり期待できる。耳の肥えた音楽ファンこそ今彼らの音楽に触れるべきだと思う。
【受賞歴】
MUSIC VIDEO CONTEST vol.3 学生部門 ゴールド賞、夢カナYell事務局賞、ESP学園賞
GAMUSYALIVE vol.5出演
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「HIGH BONE MUSCLE」
2011年結成。Vo.Gt.鈴木啓、Dr.鈴木龍二の兄弟と、幼馴染のBa.池田武史からなるバンド。
東名阪だけでなく東北エリアなど都内はもちろん精力的にツアーなどで遠征している。
心の機微を繊細に歌ったかと思えば、爆音と共に思いの丈を叫ぶというギャップ。これを支えていると思えるのがDr.鈴木龍二の卓越されたテクニック。それに呼応するようにVo.Gt.鈴木啓が聴かせる所はきっちり聴かせるギターで魅せる。メタルやハードロックのそれを見事に絡めつつ自身の美麗な歌声をきっちり活かすべくコードワークに即座に移すメリハリの妙。鳴らせばいいということではなく今何を聴かせたいかがはっきりと区別されたコントラストの良さが、彼らの思いをしっかりと届けてくれる。叫び続けるようなMCで激情型のバンドに見え、どちらかと言うと硬めな音作りで刺激が強いかと思いきや、演奏が始まると温かみがあるのは彼らがどこか捨て去りたいような心情、悔しい思いなどを丁寧に大切に歌っているからなんだと思えた。
そう言う意味では非常にエモーショナルだし、心が弱っている時にこそ響く歌声の力を感じた。
【受賞歴】
MUSIC VIDEO CONTEST vol.4 一般部門 ブロンズ賞
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「AYUKA」
静岡出身のシンガーソングライター。バンド編成でのMVやライブを見ているとバンドマンだと思ってしまうほど貫禄あるそのロックスタイルは完成されている。路上ライブもこなす彼女を見て魅力に引き込まれたファンは今回のバンドスタイルでさらにハマったことだろう。
2020年頃から本格的に音楽活動をスタートしていながらこれまでに5枚のCDをリリースする実力。秘めたるポテンシャルの高さはこうしたところからも伺える。歌を聴かせるロックというのは意外に難しい。歌物として成立させる、その上で自身の世界観を増量させる音の波を作り出す必要があるわけで、こういったアレンジのうまさ、シンガーソングライターとしてだけでなくバンドを率いるリーダーとしての存在感とプロデュース能力、そういう総合的な才能を彼女のステージからは感じるものがあった。そして何より、メインがバンドとしての自分の姿なんだなというのを強く感じ、ロックで表現するというスタンスを大切にした芯の強さを見せてくれた。
【受賞歴】
MUSIC CONTEST 2022 ゴールド賞
GAMUSYALIVE -SAVE THE LIVE- 投げYell 第1位
GAMUSYALIVE -GAMUSYALABAND AWARD- 出演
MVC vol.3 一般部門 ゴールド賞
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「LIPHLICH」
今回もしっかりと世界観を表現してくれたLIPHLICH。4人の奇才家が演出を手がけるとはその通りで、彼らのライブは演劇のそれをやはり感じさせる。楽曲からくる世界観をシーンとして魅せる。楽曲の構成はもちろん、セトリ、曲と曲のつながりにも気を使い、1ステージでしっかりと観客を自分たちの世界に引き込む能力は唯一無二。Vo.久我新悟のパフォーマンス性の高さ、フレーズの一言一言をセリフのように操ることもできる彼のボーカリストとしての表現力が、より空気を熱いものにする。面白いのがピアノなどの旋律をメインにあえて据え、ギターはノイズに徹するだとか、メロディラインを追おうとすることをあえてせず、今この音がどんな感情を表現するために必要なのか?ということに重点を置いてかなり入念に考え抜かれていること。一人一人の音が、パフォーマンスが全体のために最適なものであること、これを徹底することができているからこそ舞台的表現を可能にしていて、そういうことにも気づいていくとより彼らのポテンシャルの高さ、やりたいことの深さに心酔でき感動を覚える。目と耳でしっかりと味わえるバンドがLIPHLICH。ビジュアル系シーンにおいて非常に重要な位置付けを担うバンドと言える。
【受賞歴】
GAMUSYALIVE vol.5 投げYell 第1位
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「SUGARLUNG」
2017年より活動開始。Ba.Vo.エザキマサタカ、Gt.Choイシカワケンスケからなる音楽ユニットでありバンド。ライブいきなり、やはりエザキのハイトーンボイスが炸裂していて心地いい。見るたびに明らかにパワーが増す声量と演奏力。破壊的な音量と比例してそのクオリティは確実に向上している。ベースボーカリストでここまでロックな奴はいないだろうとエザキはこのスタイルを始めたのだが、その確信に満ちた方向性に間違いはなかった。TikTokや路上ではアイドル的な人気も獲得しつつ、やはりバンドマンとしてライブでこれだけ攻撃的なロックができるのが彼らの魅力で、でかい音でとにかく鳴らしたいというイシカワの掻き鳴らすギターは強い波動を持ってフロアを包んでいる。サビのいいところでラウドな叫びを入れ込んでくることで、世界照準なイメージを持って国内外で通用するであろう声を届けるそのさまは非常に凛々しく、一眼でカッコよさが誰にも伝わる強い個性となっている。その上でライブ後半、楽曲「melody」では歌物としての評価を獲得できる、歌詞を大切にした言葉を届ける歌も用意。勢いだけではない、今目の前にいる人々に思いを届けることもきっちりとこなす姿勢、これは注目すべき進化であり、彼らがまだまだ現在進行形で面白くなっていることの証明でもあった。
【受賞歴】
GAMUSYALIVE vol.5出演
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「Develop One’s Faculties」
完全に唯一無二、ビジュアル系に拘りつつとんでもない演奏力で見るものを瞬く間に魅了してしまうDOF。またカッコよくなったね!というのが第一印象。Vo.Gt.yuyaのリッチー・コッツェンをも駆逐するフィンガーピッキングとテクニックから生み出された誰にも真似できないギターボーカルスタイルは安定感を持ってさらに磨きがかかり、そのハスキーな歌声のエモーショナル感はV系ファンだけでなく全ての音楽ファンを虜にするだろう。これまで夢カナで拝見した時よりもより全体的に音作りや音のまとまりがより繊細になった気がする。バンド全体のクオリティが日々やはり進化しているんだなと感じたのはもちろん、彼らの音楽に対する直向きさ、こだわりの強さがライブのたびに改善されているという見逃せないポイントを持って、やはりDOFは完全無欠だった。バッキング、リズム隊のビート感が非常によく、よくここまで自在に変則的なリズムを操れるなと驚愕し、演奏を楽しんでほしい、かっこいい音を出す人もいるんだと知ってほしい、この気持ちだけを全面に出し、全力で食わず嫌いなしに俺たちの音楽を聴いてくれというスタンス。全身から溢れ出る躍動が何よりも彼らの魅力だった。
【受賞歴】
GAMUSYALIVE vol.4 投げYell 第1位
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-夢カナフェス全体として-
それぞれのアーティストの個性や特徴が十二分に伝わるステージが展開された夢カナフェス。ある意味ストイックにライブが次々と各会場で展開されるというのも、非常にライブ向きというか、各アーティストの力量ありきで面白いと感じた。ここにたとえばバンドへのインタビューなど入っていくとエンタメ性は上がるのだが、ライブハウスで感じるそれを感じれるかというと、やはりそうではなくなるので、このやり方が実は非常にいいんだなと全部見終えて思ったことである。確かに得票数であるとか賞レースの側面もあるが、全員優勝で、それぞれの良さがそのステージの時間、観客に伝わることが大切で、そのためには余計な演出無しに、ライブをライブとして見せることが何より大切。今回を機会にアーティストと出会えた人が必ず各出演者の今後を追いかけたくなったと思うし、その重要な機会を夢カナフェスが担えたのは、ライブハウスが好きだという根本の感覚を運営スタッフが持っていて、そこから生まれたいつもの感じを大切にこのイベントを成立させたからに他ならないのではないか?と思うのだ。夢カナで出逢えるアーティストは本物だと思えるのも音楽に対する情熱ある人々が関わっていればこそだとこのイベントの存在意義を感じた。
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執筆: 篠原 良一郎
76.1MHzFMはつかいち / ミュージックバード全国放送中
音楽情報番組インディーズ・アロー 番組プロデューサー・MC
ライブカメラマン、映像クリエイター
カメラマン: 浅香 郁絵
編集: 夢カナYell事務局
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